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THE HOLY BIBLE

JOHN LYDON 20

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帰国から数日経過でようやく時差ぼけが解消されました。
今回本当に驚いたこともあって、今までなんども聞かれてきた、「なぜそこまで音楽が好きになったのか」という話から。
もちろん当たり前に邦楽も聞いていたのですが、その後大きく影響を受け一気に音楽にハマっていったのは中学3年の時の話です。
部活も夏で卒業し、やることが急になくなった時、なぜか気になったのが新しい音楽聴いてみようかなという感覚に。
当時近所にあった小さなレコード屋に行って、いつもは寄り付きもしなかった洋楽のコーナーへ。
ようやくCDが多く売られ始めた時期でもありましたが、まだレコードも混在しているのがあの時の店だったように思います。
88年、それは本当に偶然でもありましたが、たまたま目に入った二つのアルバムが衝撃的な経験となっています。
ひとつはその時ちょうどリリース直後だったはずで、今やジャケットが問題になり発禁からデザイン変更されたGUNS N' ROSESの「Appetite For Destruction」と、今回話のメインになるSEX PISTOLSの「Never Mind The Bollocks」です。

両方ともなぜ買ったかといえば前情報はなくて、ジャケットの見た目だけでして、GNRについてはやたらハードロックな感じがワイルドだなというのと、目立つように置いてたから良いのかなと。
PISTOLSについてもなぜその時目立つように置いてたか、今となっては全くわかりませんが、バンド名が目立ってました。笑
あの時手持ちの小遣いは本当に限られていて、レコード一枚買うのも決死の判断でしたが、それも2枚単にジャケだけでとは、なぜそこまで思いきれたのかも不思議でしたが、洋楽のほうがちょっと安いというのもポイントだったような。

両方とも帰宅して聴いて衝撃を受けました。
英語もわからなければ、前情報もないのに、GNRは最初一人でヴォーカルやってるとは思ってませんでしたし、PISTOLSについても、どうやらもう解散してるらしいわ、これしかアルバムないらしいわ、メチャクチャな演奏に聴こえる感じもありつつ、やけにポップだわ、印象に残る歌詞のリフレイン(特に「No Future」のくだりですかね。)が連発されてやけに頭に残るという驚きに、こんな音楽が世の中あるのかと思ったものです。

そこからは本当に一気にハマっていきました。
両方ともそれしかアルバムがその時点ではありませんでしたが、雑誌もまだrockin'onが内容もまだ同人誌かみたいなレベルで非常に読みにくい本と思った印象でしたが、情報はそうしたものとかレコード屋のみで、いろんなアーティストをカバーもできないのでレンタルCDとの併用で広げていったところでしたが、なにせPISTOLSはもうないバンドだったわけで、ブートも手を出し怪しげな日本編集盤も本物なのかもわからず買ってみたりと、そして音の悪さに驚いたりで、あの時ほど手探りのスリルを経験していたことはなかったでしょうね。

高校に入って洋楽好きな友人も見つかり、時はGNRのセカンドに当たるのか「Use Your Illusion」やそこから時代にインパクトを与えたNIRVANA、ALICE IN CHAINSのシアトルブームなどもあり、リアルタイムの体験共有ってやはりすごいパワーがあったし、時代の動きみたいなことも遠い日本ですら感じられる時代でした。
UKと括って捉えるほど当時わかっていませんでしたが、とにかくパンクにはハマり、PISTOLSはもちろん、THE CLASH、THE JAMもどれも好きでしたが、どれもすでに終わっているバンド。
自分にとってその瞬間を経験できるパンクとの出会いというのはしばらく来ませんでした。
USでハードコアとして売れだすTHE OFFSPRINGやNoFXのようにエピタフ隆盛の手前、そのころ輸入盤を扱う大手レコード店も行くようになってたので札幌のWAVEやタワレコ通いをするようになって、新しい音楽をとにかく早くと思うようになっての新人漁りに到達。

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そこで目に入ったのがこのMANICSのインディーズでのシングル「Motown Junk」です。
試聴はなかったものの思いきって買ってみて大正解で、これこそまさに自分がリアルに体験するパンクという感覚でした。続けて出た「You Love Us」とともに、今後ずっと追いかけるバンドにしようと思ったものです。
メジャー移籍してどんどん仕上がった音になって来た時は「おや?」とは思いましたが、独特なメロディラインに、話題には事欠かないデビュー時でしたので雑誌登場数も多く、まさか本国でそう売れてもいなかったとは知らない時代でした。笑
UKへの興味はどんどん拡大し、ポストパンク、ネオアコとどんどんジャンル的にも拡大しましたが、そのポストパンクの括りとしてJOY DIVISIONと輝きを感じたのがまさかのジョン・ライドンがヴォーカルというPUBLIC IMAGE LTDで、その時ほぼ活動休止直前のような状況でしたが、PISTOLSともまた違う音楽を、同じヴォーカルでこうなるんだと驚いたものです。

大学入学によりUKの幅は広がり、バイト代ためては東京に行ってライブ見てという繰り返しでTHE STONE ROSESとかも札幌でも東京でも見るようなことになりました。
MANICSも札幌ではリッチーもいての4人でライブも観ているし、THBの完成度の高さに本当に震えるような体験だったし、リッチーがまさかの失踪から3人でのリスタートというのもドラマとして体験しつつの96年、社会人になるとともに大きな出来事が発生。
PISTOLSがまさかの再結成とフィンズベリーパークのライブアルバムリリース。そして日本にもツアーで来るというではありませんか。
そして札幌で友人がとってくれたチケットはまさかの最前列真ん中。
あの時、ジョンを目の前に本物を観れる日が来るとは思いませんでしたが、握手はできるわ、友人はジョンのパンツから取り出されたサイン入りバナナに大興奮して、帰りの焼肉屋で大騒ぎした記憶が鮮明にあります。
あの時各々の戦利品を持って写真撮りまくってましたので。

97年、MANICSはEMGで大成功を収めレディングのトリになったと知り、その年は同じくヘッドライナーのsuedeもcoming upで大成功の時期だったし、THE VERVEも観れるとなってどうしても行きたくなったのが自分を海外に押し出した大きなきっかけ。
U2もPOP MARTツアーでしたから全て効率よく感じたのですが、行ってみて言葉もわからず苦労したし、今のようにインターネットでなんでもわかってるわけでもないし、不便だらけで本当に大変でした。
それでもレディングで受けた衝撃は今も忘れられません。
あれほどデカイ会場で、MANICSの曲をみんな歌うわけです。
こんなに売れてたのか。。。と改めて思いました。

そこから時は流れ東京に移り住み、なぜか音楽の仕事をするようになり、自分の想像を超える結果を生み、PISTOLSはまさかの再再結成来日や、PiLも活動再開で来日とあって、その都度一番前に行ってみては、ジョンからサインもらおうと必死に工夫したりで想いは続いたわけですね。

EMGから20年というツアーについてもTHB同様、ぜひと思っていったウェールズ、スウォンジーでしたが、ちょうど良かったのがPiLもUKツアーでカーディフ公演があると。
今回そうしてMANICSとPISTOLS両方観れて、PiLではレコードにサインももらいつつ大満足での帰国でした。
そしてそれだけで終わらなかったのが今週。
先月出版されたジョン・ライドンの2冊目の自伝「Anger Is An Energy」の日本語版を、帰国後読もうと思ってたのですが、帰国したその日、写真のページだけ開いて、目に飛び込んできたこの写真。

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ジョンの髪型と衣装にやけに見覚えがあって日本と気付いて思ったのが、「あれ?これ札幌じゃね?」という感覚。
となるとあの日自分は真ん中だったのに、ジョンが写真撮ろうとやや上手側に移動してちょっと離れて悔しいと思ったのを思い出して、そうなると自分は。。。と思ったらなんと写ってたじゃないですか!!
20年前のあまりの若さも今更驚きますが、一緒に行ってた友人もともに、まさかのジョンの自伝に写真掲載!
今回渡英はEMG20が最初のきっかけで決めたものでしたが、なんとジョン・ライドンとの握手から20年という記念にもなったということを今さらわかりましたという結論です。

20年前、まさか自分があの時と変わらずというかより多く音楽にはまるとは思ってもいなかったし、今のような環境も想像つかなかったし、何度となく渡英し今や慣れ親しんでしまう状況なんて、絶対にわかりえなかったのですが、今もこうしてPISTOLSに限らずPiLも好きで巡り合った感じにザワッとしました。
パンクの伝説でもあるジョンの自伝に、名前は乗らなくても顔は刻めたということは、自分もパンクの歴史になったような錯覚すらする興奮です。笑
あまりに嬉しくて、英語版の本も買ってしまいました。

帰国後の社会復帰して「旅行どうでした?」という質問に、「良かったよ」としか答えようがない音楽の説明が必要な相手には伝えきれない話で、そうした部分を自分で整理してみようと思い、この20年以上の振り返りとともに、おさらいしてみました。
やっぱりGNRの復活ツアーも観て見たいね、ここまでくるとどうしても。。。
by yo4san | 2016-06-04 13:50 | Comments(0)
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